去年2月より始まった「ナンジャタウンWiki」も本記事が最終回です。最後は2006年にオープンした比較的新しいアトラクション『若返りの秘宝』を紹介。
このアトラクションは「リアルエイジ測定アトラクション」と題し、ミニゲーム等を通して反射神経やバランス感覚等の能力を測定するほか準医療機器を用いた測定を行い、身体能力年齢を測定する本格的な測定アトラクションです。
2006年7月、ナンジャタウン10周年企画の一つとして「りらくの森」にオープンし、その後2010年りらくの森が営業を終了したのに伴い(なお、その跡地に出来たのが今の「ナンジャアリーナ」)3階の「マカロニ広場」に移設されました。そのため、下記のストーリー等に若干の矛盾や不統一が生じています。
当時のプレスリリース・ストーリー
癒しの神の化身「りらくろう」によって作られたりらくの森。ある日、この森(アトラクション中では「村」と表現される)の健康の象徴である『若返りの秘宝』が、怠惰の森の自堕落鳥「だーくろう」によって奪い去られた。りらくろうは村を訪れた者の中から、秘法を取り返す旅に出る"勇者"を集った。旅に出るものは、だーくろう打倒のため運動力・身体力・そして精神力を試される…。
アトラクションの流れ
このアトラクションは各サテライトを巡る回遊型アトラクションで、サテライト毎にゲーム系と測定系(機器測定をするだけなので、攻略のしようがない)に分かれます。スタート地点にて「勇者の名」と称した3文字の名前を与えられ、以後のサテライトでその名前を入力することでデータを記録する方式となっています。
リアルエイジ測定の算出プログラムシステムにはフィールファイン蠅箸龍ζ雲作。詳細はアトラクション最後に貰える結果用紙裏面に記載されています。
1.「勇者のトーテムポール」(ストレス度チェック)
アトラクションのスタート地点。ここで年齢、身長、体重を入力し『理想体型』の判定を行い、続いて「ストレス度」の測定として、5問の質問にはい・いいえで答える。ストレス度の少なさに応じ、A~Eのランクが与えられる。単純に「はい」の数が多い程ストレスが少ないということになるので、評価を上げることだけを考えれば全部の質問に「はい」と答えれば良い。
なお、当初は一番最初に「勇者の名」とそれを記した紙が与えられたが、それだとその後に流れる説明を聞かずに先に行く人が多かったからか、説明 → 一番最後に勇者の名の流れとなった。
2.「血脈の壁」(血流値・体脂肪測定)
銀色のレバーのセンサーにて体脂肪、続いて指のセンサーにて血流を測定。最後身体に関する3つの質問に答えます。これは単純に"測定"なので攻略云々ではなく、言うならば健康状態によってランクA~Eが与えられます。
ちなみに、このサテライトでの体脂肪測定は
「生体インピーダンス法」という原理を用いて行われています。
3.「爆裂魔法陣」(バランス測定)
円盤の上に乗り、傾けないよう水平に保ちます(傾けてしまうと魔方陣が赤く光ります)。水平にしている時間が長い程高評価。
4.「人肌の岩」(肌年齢測定)
センサーにて肌年齢を測定します。こちらも測定なので攻略のしようがありません。最終結果には関係ありませんが、電子拡大鏡にて自分の肌を見れる装置が併設されています。
5.「脳力の灯籠」(脳力測定)
算数や図形などの問題に○・×で答える、いわゆる"脳トレ"である。10問出題され、多く答えれば高評価。
6.「天使のしずく」(瞬発力測定)
岩場の3つのラインから「しずく」が次々と流れ落ちるので、ボタンの位置に来たらタイミングよく押して受け止めていく。慣れればそんなに難しくないが、最初はなかなかタイミングが掴みにくく難しい。
7.「前頭葉のほこら」(脳活動度測定)
脳を測定し、脳の活性度を測定する。この測定には日立製作所が開発した
光トポグラフィ技術が使用されている。このサテライトは最終ポイントで使う得点からは外されている。
8.「だーく城の対決」(判断力・瞬発力・持久力測定)
「だーくろう」の住む「だーく城」にて最終対決。今までのゲームで獲得したランクの数によって「矢」が与えられ(Aであれば5本、Eであれば1本など)、この矢でだーくろうに攻撃。だーくろうは左右に不規則に動くので、十字に重なった瞬間に備え付けのボタンを押し矢を発射、制限時間前に(あるいは手持ちの矢を使い果たす前に)5本だーくろうに当てられれば勝利となる。
だーくろうに勝てたら、『若返りの秘宝』を取り戻せる。秘宝には何種類かあり、残った矢の数が多い程豪華な秘宝となる。つまり各ミニゲームで好成績を収め、この最後の戦いでいかに矢を外すことなくだーくろうを倒すかが最終結果を良くするポイントである。全てのサテライトでランクA(5本)×6ヵ所=矢30本、1本も外さず5本の矢を使って倒す→25本が最高点。
9.「若返りのほこら」(リアルエイジ結果プリント)
この最後のサテライトにて、りらくろうに旅の結果を報告すると、結果用紙が貰えます。
補足情報
・サテライトの回る順番は明確に決められていないので、バラバラにやることも可能。
・同じ「勇者の名」でログインすると、各サテライトでの結果データは常に最新のものが上書きされる。よって良い結果が出るまで何度もやり直すと言ったちょっとずるい方法も取ることができる。
感想
上記のよう本格的な技術を用いた凄いアトラクションではありますが、本格的な反面アトラクションの展開が非常に地味であるのとゲーム性があるのは一部分のため、あまり何度もやる気力が起きないアトラクションではあります。本当にネックなのは"派手さ"というか"面白さ"がないことですかね。各サテライトにて演出をちょっと追加すればまた違ったのかもしれませんが。
「りらくの森」に出来た当初はリラクゼーション施設の中にあるリアルエイジ測定アトラクションということで、女性客を中心に人気が高く40分以上の待ち時間を記録したこともありましたが、マカロニ広場に移設されてから人気は落ち着いています。
その他情報
・リニューアル等細かいのを除けば本アトラクションは2001年の「熱唱!銭湯歌合戦」(~2009年)以来5年ぶりの新アトラクションということで注目されていましたが、オープン当初は機械の調整不足による不具合を相次いで起こしお客の混乱を招きました。
特にオープン当日は最初「11時からオープン」と告知されていたのが「お昼頃から」となり、実際には12時半頃オープン。オープン後も各サテライトで不具合が多発し、その日は18時前に受付終了。その後1週間は運休する時間もあるなど修正に追われたようです。同年8月下旬頃、仕様の大幅なバージョンアップが行われました。
・なお、ナンジャタウンは翌年も新アトラクション
「ガウストパニック」にて告知していたオープン当日になってもバグが修正できずその日は「無料体験会」となり(実際まともに遊べる状態ではなかった)、その後も無料での営業が1週間続き公式サイトに謝罪文を掲載するなど、「若返りの秘宝」を上回る混乱を引き起こす事態となり「品質管理に問題がある運営」という不名誉な印象を位置づけた。2009年の「ご当地すごろくじゃらんツアーズ」以降はこの2件のような目立った混乱は起きていない。
・「だーくろうとの戦い」において、本来であれば当然ボタンを押して矢を放つ=手持ちの矢の数が減るのですが、矢を放ってもうまく処理できず本数の数字が変わらない(減らない)ことが多々あります。特にボタンを連続して押すと起こりやすいです。
この現象を利用(?)すれば、本来の最高得点である矢の数25本を上回る結果を出すことも可能ですが、25本以上になった場合結果用紙の表示がおかしくなってしまうことがあります。
おまけ
このアトラクションがオープンした年の12月、バンダイナムコから同じ光トポグラフィ技術を利用した脳トレ&脳年齢測定ゲーム
『みんなで鍛える全脳トレーニング』が稼働しました。
こちらは本格的な脳トレ(ニンテンドーDSソフトの「脳トレ」と同じ方の監修)に加え、多彩なアシスタントキャラクターが登場し、しかも中原麻衣や堀江由衣など声優が豪華なのも特徴。2013年のナンジャタウンリニューアルでこのアトラクションもリニューアルして登場するなら是非ともこのゲームと同じ路線にしてもらいたいです。
※このゲーム、残念ながら稼働している店舗は少なく、どうしてもやりたい場合古いゲームセンター等を探してみるしかないと思います…。