世界のディズニーパークにある「ホーンテッドマンション」ですが、ここディズニーランド・パリでは『ファントム・マナー』(意味は同じく「幽霊がでる豪邸」)とタイトルの他、建物の外観・バックストーリー、そして演出が異なる別バージョンになっていて、"世界一怖いホーンテッドマンション"と言われています。
待ち列は屋敷外の中庭に。屋敷内に入るとまず「大広間」に。アメリカ・日本版では青年が年老いていき最後は骸骨になる絵がありますが、パリでは屋敷の娘「メラニー」の肖像絵になっている(年老いたりはしない)。やがてストーリーが流れます。
この屋敷は「ビッグサンダー・マウンテン」の金鉱山を掘り当て大富豪となった「ヘンリー卿」の豪邸。ヘンリーの1人娘「メラニー」はある優秀な機関士と恋に落ち、結婚と駆け落ちの約束をする。だがメラニーは「死神」に見初められ、結婚の当日恋人を死神に殺され彼女自身も死の世界へ誘われた。それから100年以上経った今でも、彼女はウェディング・ドレス姿のままゴースト達の巣窟となったこの屋敷で恋人を待ち続けている・・・。大広間の次は「縦に伸びる部屋」。中の絵は全てメラニーの物になっていますが、部屋が伸びると共に下の絵の部分が見えてくるのは同じです。そしてパリ版では天井が伸びて(上がっている)他、床も実際に下がっている(つまりこの部屋は大きなエレベーターになっている)。
「伸びる部屋」を出ると左右に見る方角によって絵が変わる(女性→メデューサ、船→幽霊船など)トリックアートがある通路、その先が乗り場です。なおパリ版にはライドに乗ってからの絵画の通路及び書斎はありません(カリフォルニア版と同じ構成)。
ライドに乗って屋敷内を進むと、いきなり登場する「メラニー」。次の「永遠に続く廊下」にも奥にメラニーがいて手招きしています。その後の「ノックが鳴り響く廊下」(棺桶の代わりにピアノ)→「水晶に映る女性の魔術師」(回りに楽器はない)は日本版と同じ流れ。
パーティー会場のシーンでは階段にメラニー、そして窓際に死神がいます。
次のシーンからパリ版オリジナルの展開。パーティー会場の次は「メラニーの寝室」。鏡台の前で悲しみにくれるメラニー。良く見ると最初より顔が老けてきたような・・・。
寝室の先は「墓場」のシーンですが、ここで死神が間近に登場します。
寝室の先は「墓場」のシーンですが、ここで死神が間近に登場します。
「墓場」ではテーマソングが流れて歌う4人の銅像があるなどは同じですが、出てくるのは骸骨ばかりです。
墓地の先は「ゴーストタウン」、大地震で崩壊した西部の街(フロンティアランド)。地震により街の住民はみんな亡くなりましたが、彼らは自分が死んだことに気付かず、死の後もそのまま生活を続けています。そのためか出てくるのは幽霊というよりゾンビのような風貌。
「金鉱(ビッグサンダーマウンテン)で金を取りすぎると、神の祟りで大地震が起きる」そう言われているのにも関わらずメラニーの父ヘンリーは私欲のため金を取り続けた。その結果、本当に祟りで大地震が起き、街は崩壊してしまったという設定。
日本版でヒッチハイクの幽霊が出る所には「メラニー」が登場しますが、ついに骸骨になってしまいました。鏡の間では頭上に死神の頭、左右に手が映ります。これは死神がゲストを死の世界に引きずり込もうとしていて、ライドは左右に揺れます。
ライドから降り、出口~外への通路間にもメラニーが登場。彼女は孤独に死を受け入れ、そして貴女も死んだら死亡証明書を持ってここに来てと言っています。
ストーリーとそれに合わせた演出の追加というよりアメリカ・日本版より演出が"濃い"、そして"怖い"です。ホーンテッドマンションのバージョンアップ版とも言えると思います。ユーモラスな雰囲気は全くないので好みは分かれそうですが、こちらの方が演出自体も逸脱です。