8月に入り夏も本格的に、各地暑さも混雑も上昇していますが皆様いかがお過ごしでしょうか。今回ご紹介するのは三重県伊勢にあるテーマパーク「伊勢・安土桃山文化村」、旧「伊勢戦国時代村」です(安土桃山時代=戦国時代)。
「伊勢戦国時代村」の時は日光江戸村グループでしたが、現在は独立法人「ちょんまげワールド伊勢」(株式会社伊勢安土桃山文化村)として運営、村長はあの「萩本欽一」とのことです。
園内はのどかな町並みが広がり、そして高低差が激しくなっています。入園してすぐにある下町(?)、忍者の里、そして安土城の間でかなりの距離があり、そのため園内では移動手段としてバスが随時運行しています(一応歩いて移動することもできますがしんどいです)。
忍者アトラクション
伊勢といったら忍者の地(伊賀)として知られ、前述の5つのアトラクションのうち3つが忍者を題材としたアトラクションです。傾斜が付いた屋敷内で奇妙な体験(錯覚)ができる『伊賀忍者妖術屋敷』、忍者の修行をテーマにした(実際はお化け屋敷に近い演出)『忍者修行砦』、回転扉など様々な仕掛けを解いて進む迷路『忍者からくり迷路』があります。特に『忍者からくり迷路』はかなりの規模で、迷路も上記の襖の迷路,鏡の迷路,暗闇の迷路など11種類もの仕掛け、しかも最後の隠し扉は2つあって、1つはゴールに繋がるけどもう1つは中盤付近まで戻されるという嫌らしい(?)トラップも・・・。
ホラー系アトラクション
アトラクションの残り2つはホラー(お化け屋敷)系。『妖怪屋敷』は脅かしの要素は少なく、むしろ妖怪の特徴等の解説を聞きながら進むミュージアムみたいな構成。画像下の『怨霊首無寺』は戦国の落武者をテーマにしたオーソドックスなお化け屋敷です。ちなみに画像にあるのは入口で待ち構える「織田信長」の怨霊・・・。このパークの目玉である「安土城」。実際の安土城は「本能寺の変」の後に焼失し詳細な記録もほとんど残っていませんが、「宮上茂隆(みやがみ しげたか)安土城天守復元案」(※)を元にレプリカ建築としてほぼ忠実に再現しています。
安土城跡に残された石垣と礎石から天主閣の平面規模と柱間寸法を割りだし、「安土日記」(文献の中でも史料価値の高いもの。「旧加賀藩前田家伝」とも)や安土城の影響を受けたといわれる大阪城や岡山城などを参考にした建築史家の宮上茂隆氏による復元案。お城は7階建てであり、6階の展望台からは伊勢湾や伊勢市街が一望できます。
1~5階は資料スペースになっていて、「桶狭間の戦い」などのジオラマと解説で戦国の世の歴史が学べます。
ただ、解説といってもわずかな文章のみで、この日は故障等で稼働してなかったのかそもそもでないのかはわかりませんが音声や映像による解説はほとんどなく、"ただジオラマが置いてあるだけ"という印象でした・・・。
上記の6階展望台のさらに上にある7階は安土城にあったとされる「黄金の間」、壁や天上全てにまばゆい金箔が貼られた一室です。
安土城を1階~6階全体を使ったお化け屋敷です。正午と午後の2回、通常の営業を一旦停止して実施されます。
「最近この安土城でお客や夜間の警備スタッフからの心霊現象の報告が相次いでおり、忠実に再現した城ゆえ織田信長の怨霊が住み着いているのではと噂される」という設定の中、通常営業時とは違い照明がほとんどない暗闇の城内を進みます。
途中にいるアクター(お化け)は普段園内の劇場で活躍する役者に演技もの。追いかけてくるなど激しい脅かしはないもののうめき声を上げる、気付かれないようにそっと近づく、遠くからじっとこっちを見ているなど役者ならではの演技をするので、かなり怖いです。
距離も前述のよう1階から6階のほぼ全てのフロアを使っているので、歩行距離はわかりませんが所要時間は15~20分ほど。大規模で有名な富士急ハイランドの「戦慄迷宮」とまではいかないものの普通のお化け屋敷の3~4倍の規模はあります。
照明が切られ、仕掛け等が(一部を除いて)停止した城内を進み、イベント用にお化けの人形など造形物の追加設置は少なく、脅かしがスモークや上記のアクターによるものが中心です。そのため「閉館後に静まりかえった施設で肝試しをしている」のに近い印象、それが逆にリアルな恐怖体験を演出していると思います。