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広島横川お化け屋敷「赤い絲の家」

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オフィスバーンのお化け屋敷第7段、これで今年のオフィスバーンのお化け屋敷紹介は最後になります。同社の今夏お化け屋敷は沖縄の「呪い歯」(2013年大阪版のリメイク)にだけまだ行ってないのですが、さすがに沖縄には行けるか微妙なところ・・・

広島でのオフィスバーンのお化け屋敷開催は今年で4年目。紙屋町(2年)、呉と続き今年は「広島駅」から1駅隣の「横川」にて開催されます。開催場所は横川の商店街「星の道」。懐かしい感じのする商店街で、お化け屋敷があるのはこの通りではなく反対側、国道沿い側になります。
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このお化け屋敷のテーマは日本を始めアジア圏で広く信じられている「運命の赤い糸」、意中の人物とは赤い糸で繋がっているというロマンチックな伝説とは裏腹な、皮肉的な愛憎劇の物語を体験します。建物から無数の赤い糸が垂れ下がっているようのが非常に不気味です。
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ストーリー

ここ横川の商店街には「絲よし」という糸を取り扱う古い店があり、そこに「糸織(しおり)」という美しい娘がいた。糸織は「綾夫」という医師の恋人がいた。糸織は綾夫のワイシャツの襟の折り返しに"隠し糸"(※)を縫い込んでいた。
※好きな人と結ばれるようにお互いの衣服の見えない所に赤い糸を縫い込んで願いを掛けるもの。

しかしいつしか二人の仲は冷え、やがて別れた。その後糸織には新しい恋人ができたが、綾夫は糸織のことが忘れられず何かと口実をつけて糸織に近づこうとしたが逆に彼女の気持ちはさらに冷めていった。

ある日、糸織は首の後ろを切る怪我をし、綾夫と別れたことを知らない両親は彼に手術をお願いした。綾夫は思った「傷の縫合にあの隠し糸を使えば、糸織の心がもう一度自分に戻ってくるかもしれない」と・・・。

手術用でない糸は、体の中で溶けず残った。糸織は手術したのが綾夫だと知り、一層彼を憎んだ。その思いに耐えきれず、綾夫は絲よしの糸で編んだ縄で首を吊って命を絶った。糸織への歪んだ愛情と怨念を抱いたまま・・・。それは糸織の体に残された赤い糸に宿り続けた。 

すると糸織の体に異変が起こる。体中から赤い糸が出てくるようになったのだ。糸織の姿は見るも無惨なものに変わった。両親は糸織を部屋に閉じ込め、彼女は一歩も外に出ないまま3年の月日が流れ、ある晩糸織は体の中の糸を取ろうとしてうなじを引き裂き、その傷が元で死んでしまった。
糸織の運命はどこでどう間違ったのか。絡まった糸の如く、戻る糸も見つけられない。しばらくして絲よしは店を閉めることになったが、誰もいなくなったはずの店の戸口から時々赤い糸が垂れていることがあるという。それは糸織の霊が垂らした赤い糸なのか・・・。

人と人は友だちや恋人など深い関係を持つ者同士、一本の運命の糸で繋がれていると言う。そんな美談も、糸織にはその糸が恨めしくて堪らない。彼女は闇の中から、その糸を切ろうと狙っている。

お化け屋敷内容

お化け屋敷の舞台「絲よし」に入る前に、入場者通り小指にこの「赤い糸」を結びます。この糸を最後まで切らないように進むのが目標です。店の暖簾を潜ってちょっと進んだ先がお化け屋敷のスタート地点です。
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このお化け屋敷最大の特徴は、序盤から中盤までは通路が赤く太い糸で仕切られていること。そのため糸を挟んで左側と右側に分かれて進みます。※イメージ図。画像の赤丸が仕切りの糸。
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仕切りといえど完全に遮断されているわけではなくすぐ近くの距離ではありますが、それでも何かに仕切られてちょっと離されているというのが心理的に大きな不安感を呼びます。脅かし等の仕掛けも、左側から来る物と右側から来る物があって、しかもそれぞれ別々のタイミングで来るのも面白いです。そして所々で糸織(しおり)が襲いかかってきます。糸織を演じるアクターは特殊メイクで目など体中から赤い糸が出ている(ように見せている)ので必見です。

赤い糸の仕切りが終わったも、目から出ている赤い糸通しで繋がっている人たちの、その赤い糸の下を潜って進むなど異様な雰囲気が待っています。このお化け屋敷はとにかく無数の赤い糸がすごく印象的です。

感想

やはり最大の特徴である「赤い糸で仕切られて同伴者が左右に分かれて進む」というのが非常に効果的。それに加え糸織のインパクトある風貌が特殊メイクで忠実に再現されているなどビジュアル的な怖さも強いです。

物語的にも結局糸織はこのまま永遠に成仏できずに、人との絆を憎み・壊し続けようとするのでしょうか。なんとも残酷な物語です。
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余談

「横川駅」で見つけた金魚の灯籠と、「三次(みよし)」の観光ポスター。
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関連項目

「絶叫学級」
 今回の一部画像は雑誌「りぼん」で連載されているホラー漫画で私の愛読書でもある「絶叫学級」15巻のシーンを使わせて貰っています。このお話も「赤い糸」をテーマにした愛憎劇です。

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