富士急ハイランド今夏の新アトラクション。今年は絶叫系やミッション系から一転して、ファミリー向けのシミュレーションライドの導入となりました。昨年世界遺産に登録された「富士山」をテーマにしたシミュレーションライドで、物としてはアメリカフロリダのディズニーワールド、エプコットにある「ソアリン」と同機種で、映像ソフトを入れ替えたものになります。
「ソアリン」は2001年にオープン以来評価が高く、未だに休日は120分待ちが出る(アメリカのディズニーランドで120分待ちは異例)という人気機種で、シミュレーションライドでもこのような一流機種を持ってくるのはさすが富士急ですね。
またこのアトラクションが日本に導入するとしたら当然東京ディズニーランドかシーにできるというのが定説であったため、富士急ハイランドにできたことに驚く方も多かったようです。
またこのアトラクションが日本に導入するとしたら当然東京ディズニーランドかシーにできるというのが定説であったため、富士急ハイランドにできたことに驚く方も多かったようです。
アトラクション設置場所
「富士飛行社」があるのは昨年まで「ガンダムクライシス」があったドームで、1階が入口です。中は全面的に改装されており前の面影はほとんどありません。建物内に入ると受付ロビーのような空間と、各コースター系でお馴染みのスロープがあります。このスロープを上がって上が乗車受付です。アトラクションの舞台は観光会社『富士飛行社』、スロープ内のモニターでは同社の紹介映像が流れています。
『富士飛行社』の歴史
アトラクション自体にはあまり関係がありませんが、あまりにも面白いので掲載します。是非現地にて全編をご覧になってください。映像はNHKの歴史ドキュメント番組風な作りになっています。富士飛行社の創業
いきなりどこから突っ込んで良いのかわかりませんが、このようにして鶴を使った観光業として富士飛行社は誕生しました。2代目に入ると彼の幅広い人脈を活かし、同社は大きく成長。利用客には「ペリー」もおり、「アメイジング、ジャパン!」と叫び絶賛したとのこと(※無論、フィクションです)。
富士飛行社は鶴数千羽を取り扱う大企業となったが、三代目が鍵を閉め忘れて鶴を逃がしてしまい、会社は急落。従業員は逃げだし、3代目自身も僅かに残っていた鶴で逃げた。
4代目は鶴の代わりになるもの探し試行錯誤の末、世界で初めて飛行機を発明。これにより富士飛行社は飛行機の観光ビジネスを確立させる(※もう一度言いますが、フィクションです)。そして行方不明だった3代目も鶴を従えて帰ってきた。
その後4代目は疣痔が悪化し急遽引退。当時まだ2歳であった5代目が襲名するも跡取り問題や鶴のエサ代・飼育方法などで揉め、富士飛行社は長期運休状態になり人々の記憶から忘れられた。
そして今・・・
こうして富士飛行社は復活したわけですが・・・ 突っ込みどころ満載のストーリーをここまで真面目にやるのが富士急らしいですね。待ち列内での会社年表ではもっと細かい出来事が書かれています。なお、現在世界中から「いいね」が集まり61億「いいね」を突破しているとのこと。何だろう、61億「いいね」って・・・。
出発
受付時に座席を指定されます。席は1列なのでどの場所になっても見え方・体感はそんなに変わりません。そしてモニターにて乗る飛行機「大鶴223」の(設定上の)概要とアトラクション注意事項の説明。この説明にもいろいろとネタが仕込まれているので、注意深くご覧下さい・・・。画像一番下は実際の座席です。1列10人乗りが左右2つと上下(1階と2階)に2つ、計4機種あります。
アトラクション本編
アトラクションがスタートするとライドはスクリーン側へ前進し、足が宙ぶらりん状態に。巨大なスクリーンでは頭上から足下まで映像が映ります。この映像のリアルさは凄く、乗っているお客さんから歓声があがる程です。フライトのスタートは東京から。東京タワーや新宿のビル街に皇居の上空を進み、次のシーンで目の前に富士山が現れます。
樹海や河口湖を地表すれすれで走行したりもします。その時は木々の香りや水飛沫が実際にかかる、また全体を通して風の強さも映像に合わせてリアリティに変わるなど特殊効果が抜群に発揮。
有名な富士桜や赤く色付いた富士山(赤富士)、火口付近に近づく(その時はライドに向かって熱風が出ます)シーンも。最後は夜の富士山をバックに花火が上がるシーンがあってフライトは終了です。
乗車中に流れる雄大な音楽はジブリ映画でもお馴染みの「久石譲」氏によるもの。富士山の映像は昨年より空撮をしたものを編集しているとのことです。
映像やライドの動きにインパクトはなく、非常にゆったりとした内容になっていますが、それがこの映像美の感動さを与えるのに役立っていると思います。絶叫系ではないですが、それと同じくらいの感激があるとおもいます。
はっきり言って自分も乗る前は「ただのシミュレーションライド」と舐めていましたが、これは他にはない逸脱の機種です。是非ともこのクオリティはご自身の目で確かめてみてください。