2014年オフィスバーンのお化け屋敷紹介第2弾、今回は石川県金沢で開催されるこのお化け屋敷「地下室の子守歌」です。開催されるのはこのショッピング通りで、周りの店舗に溶け込むようにお化け屋敷があります。
タイトル通りこの建物の地下1階にお化け屋敷が作られています。上の階は以前ゲームセンターやネットカフェ、アニメイト金沢?が入っていた建物らしいのですが、現在は撤退しているようです(つまりここも本当の廃墟なのでしょうか?)。
ストーリー
病弱な菖蒲(あやめ)は生んだばかりの育生(いくお)を育てることができず、世話を姑の安枝(やすえ)に任せていた。育生が泣き止まないとき、襖ごしに菖蒲が子守唄を歌うと、育生はおとなしく聞き入った。安枝はそのことが恨めしくてたまらなかった。ついに安枝は息子(菖蒲の夫)に薬と偽って毒薬を渡し、毎日飲ませるよう言いつけた。毒が体を冒しても、菖蒲は子守唄をやめない。とうとう菖蒲は亡くなり、安枝は息子に彼女の遺体を建設途中のビルの地下の壁の中に埋め込ませた。
それ以来、その地下からは菖蒲の子守唄が聞こえてくると言う。今夜もまた、菖蒲が赤ちゃんを捜し求めている。
地下に降りる前に写真の片方、赤ちゃんの育生が映っている側を渡されます。それを持って階段で地下に進み、そこからお化け屋敷本番。中は赤ちゃん(育夫)と隣には菖蒲が寝ている部屋など家の部分と無機質な地下の2つで構成されています。そして終始聞こえてくるのが菖蒲の子守唄。能登麻美子(声優)のようなウィスパーボイスで、この子守歌だけでかなり怖いです。なお、能登麻美子さんはここ石川県金沢の出身とのことで、これは何かの縁ですかね。
序盤が家のシーンで中盤は地下のシーン。ストーリー上の壁に埋め込まれた菖蒲もちゃんと出てきます。最後は乳母車があり、そこには写真の網片方側、母親「菖蒲」が映っている写真が置いてあります。そこに今まで持ってきた写真を合わせ、1枚の写真にするとミッション成功です。その後何が起こるかはお楽しみです・・・。
感想
内容自体は他で開催されている同社オフィスバーンのお化け屋敷と大分共通するところがありますが、ここの最大の特徴は地下という独特の空間と、そして聞こえてくる子守歌。これが作品を大きく演出していると思います。もちろん、その他の仕掛けも普通に怖いです。今回特に人形か人間かわからない場面が多く、油断はできません。ストーリー原案
このお化け屋敷のストーリーは金沢生まれの小説家泉鏡花の作品「草迷宮」の世界観を元にして作られています。登場人物の「菖蒲」という名前と子守歌(草迷宮では手鞠歌)が重要なキーワードになっている点が共通しています(と思います)。「花咲くいろは」は2011年に放送されたオリジナルアニメで、その年の平成23年度(第15回)「文化庁メディア芸術祭アニメーション部門審査委員会推薦作品」にも選ばれたという話題作。2013年には劇場アニメにもなりました。石川県の華麗な風景と人の心情をリアルに描いたその脚本が大きく評価されています(話の運び方や表現にちょっとクセがあるので好き嫌いは分かれますが・・・)。作品は温泉旅館及び温泉街「湯乃鷺温泉街」が舞台となっていますが、そこのモデルが金沢の湯涌温泉となっているので、アニメ放送以来訪れる観光客も多いようです。観光案内所や売店も関連グッズで埋め尽くされていました。
作中に出てきた「ぼんぼり祭り」が実際に行われるようになったことも話題に。画像はアニメで使われた場所です。