今年もオフィスバーンのお化け屋敷の全国開催が始まりました。同社は東京ドームシティを含め全国10箇所(そのうち過去のお化け屋敷リメイクは3箇所)で開催するという過去最大規模での開催です。
今回は富山県高岡市、昨年開催され大盛況だった「足首屋敷」に続いての実施です。昨年のは廃屋が舞台でしたが今回は廃ビル、昨年と同様本物の廃ビルを使用したお化け屋敷ですが、内装自体は廃ビルをテーマにしたものではありません。
今回は富山県高岡市、昨年開催され大盛況だった「足首屋敷」に続いての実施です。昨年のは廃屋が舞台でしたが今回は廃ビル、昨年と同様本物の廃ビルを使用したお化け屋敷ですが、内装自体は廃ビルをテーマにしたものではありません。
会場
お化け屋敷があるのは、昨年同様富山県高岡駅近くにある商店街「御旅屋通り」。去年は行った日にちょうど七夕祭り(この地方の七夕は8月)があったのでお化け屋敷を含め商店街は各店舗で賑わってましたが、今回は7月の平日であったためさすがに閑散としていました。ちなみに去年の「足首屋敷」も建物はまだそのまま残っています。商店街奥に進み、見えてくるのが上記画像の会場。下記の画像は内部に入ったところ、1階が受付及び待合室でお化け屋敷は2階です。
ストーリー
今回お化け屋敷のストーリーは舞台設定上も含め、「新聞記者が怪奇現象を調査する」というスタイルとなっています。また開催4日前の8(火)より「北日本新聞朝刊」にてストーリーを連載し、公式サイトでもその切り抜き(風に作られた画像を)随時アップする形で掲載するという珍しい手法が取られました。以下、掲載文の要約です。2014年4月、再開発で取り壊すことになった高岡市のとある廃ビル、だが工事が始まって以来作業員の相次ぐ事故・原因不明の奇病が蔓延するなど不可解な現象が多発、ついに業者が作業を辞退したため取り壊しは中止となりビルはそのまま放置されることになった。地元の新聞社が調査した結果、このビルは近隣住民から「片目が抉れ血膿混じりの涙を流す少女が出る」と噂されている所謂「曰く付き物件」であった。 40数年前、ビルが建つ前ここには一軒家があり、そこで殺人事件が起きた。殺害されたのはこの家に住んでいた母親、そして16歳の娘「見津子(みつこ)」。見津子は「目に万年筆が突き刺さった」状態で死亡していた。一緒に住んでいたはずの父親の所在はわかっておらず、事件への関連が疑われている。近所の話によると、この家の夫婦仲はよくなく毎日言い争いが絶えなかったらしいが、父と娘は仲が良かったという。家が取り壊され、ビルが建ったのは事件が起きた翌年であった。 このビルに出るという「血の涙を流す少女」とはかつてこの場所で死亡した少女「見津子」なのであろうか。そしてここで起きる怪現象も彼女によるものか・・・。真相は闇に包まれている。 先日、上記の一連の事件について調査していた新聞記者がこの廃ビル内で「目に万年筆を突き刺さった」状態の遺体で発見された。万年筆は死亡した記者の物であり、4月頃入手し普段の執筆に使用していたという。その万年筆には「MI・TSU・KO」と刻まれていた・・・。 死亡した記者の同僚によると、その万年筆を入手した途端執筆スピードが早くなったが「毎晩悪夢にうなされるようになった」と漏らしていたという。また死の前日にも執筆作業をしていたというが、その原稿は未だ発見されていない。 謎が謎を呼ぶ怪事件。これはこの廃ビルに、そして見津子に関わったことによる祟りだというのか。会場1階の待合室に置いてある新聞には上記ストーリーの新聞記事、そしてホームページでは掲載されてない「死亡した記者が死の前日に書いた原稿が発見された」記事が載っています。この記事内容がお化け屋敷本編でも重要なキーワードになりますので、入場する前に読んでおくのがポイントです。
階段を上がって2階に進むと、そこにあるのは木造の家。かつて見津子が住んでいたと思われる家です(※)。玄関のドアは封鎖されているため隣の窓から侵入します(段差が用意されています)。
仲は家族の写真が並べられている居間に風呂場、台所など普遍的な住居内の風景が広がり、脅かしも少なめで落ち着いた空気で進んでいくと突如目に入るのが「目に万年筆が刺さって死んでいる記者」。この万年筆を抜くのですが、抜いた万年筆の先には血まみれの肉片が付いているなどなかなかグロテスクです。
万年筆を持った状態以降では、至る所で「見津子」が襲いかかっています。見津子は人形とアクター(役者)で出てきますが、見津子を演じるアクターはストーリー通り「片目が抉られている」様子を特殊メイクで表現しているので必見。リアルでそして芸術的な美しさです(もっともお化け屋敷内でじっくり見る余裕はないと思いますが・・・)。
最後は万年筆を筆置きに返してくればミッション完了。出口でこの事件の真相が書かれた記事(切り抜き)を貰えます。
感想
ストーリーとお化け屋敷本編の見事な連動や造形物の華麗さもあることながら、今回は仕掛けの脅かし方が一捻りしてあって逸脱。オフィスバーンのお化け屋敷に何度も入らせて貰っている自分でもびっくりした思いも寄らない脅かしがいっぱいでした。「そう脅かすのは読めたけど次そうくるか」ってのも多いので最後まで油断ができないですね。前述のようにストーリーをしっかり読んでおくとより物語に入り込め、お化け屋敷の仕掛け・演出の意味も分かってきます。最後に貰える真相編もいろいろな余韻が残ります。
以下反転:
※この物語はフィクションです。
死んだ見津子の思いはこの廃ビルの中、そして生前彼女が大切にしていた万年筆にも残っていて、それがこのような出来事を起こしたのではと取れます。死亡した記者もそして真相編の記事を書いた者も、見津子の万年筆を入手して自分の意志とは関係なく(自身が知っているはずもない)事件当日の事を書いている。そして記者は見津子と同じ末路を辿った。このお化け屋敷に入ってきたということは、見津子の万年筆を手にしている。ということは、今このブログを書いている私も・・・。 |