この「Tエクスプレス」は韓国の遊園地「エバーランド」の2008年にオープンした大型木製コースター。製作はインタミン社で、同社の木製コースターとしては日本では東武動物公園『レジーナ』がありますが、このコースターはアメリカ「シックスフラッグス・グレート・アドベンチャー」にある『エルトロ』(2006年オープン)の兄弟機に当たるそうです。
ファーストドロップの最高高さ56m、そして木製コースターとしては世界最大の77度という落下角度とスペックの凄さもさながら、乗り心地やコースレイアウトの逸脱さがコースター通を始めとして各所で大絶賛されており、自分もこれに乗れただけでわざわざ海外(韓国)まで行った価値があったと思うほど気に入りました。
コースター入口~車両の様子
「Tエクスプレス」はエバーランドのヨーロピアンアドベンチャー、園内の奥地にあります。なお、この「Tエクスプレス」という名称は本アトラクションのスポンサーが韓国の携帯電話のブランド「SK Telecom」でそのロゴの「T」がそのまま使用されているためだそうです。ロゴのある建物前で受付を済ませその先の待ち列へ。以前は最初の部屋で注意事項等の映像を見る形式だったそうですが現在はなくなっています。待ち列はコースターの下をうねるように駅舎まで配置。途中にはアトラクションの建設図面や建設中の写真と思われるものも。
車両は「エクスプレス」タイトル通り鉱山鉄道をイメージしたもの。座席の感じは同じインタミン社の「サンダードルフィン」に似てます。
プラットホームではプラットホームのスタッフと操作室のスタッフがノリノリでトークを繰り広げます。当然韓国語なんで何言ってるのかは分かりませんでしたが、雰囲気から察するに
ホーム内:「次の列車はいつくるのかな」 操作室:「あと1分程で到着だ」 ・お客さんが車両に乗り込み、出発前 ホーム内:「もうすぐ出発だ。皆さん、今のうちにストレッチをして、手足をほぐして、リラックスして・・・」 操作室:「準備OKだ」 ・出発時 ホーム内:「出発だ! Tエクスプレス、Go For Now!!」 操作室:「Good Luck!」このアトラクションだけでなく他のアトラクションでも似たような事がされていて、このパークのスタッフはみんなノリが良かったです。これは日本も見習う演出なんじゃないかな。
そして迫りくる画像赤矢印のファーストドロップ、前述のよう木製コースターとしては世界最大の77度という急傾斜。「サンダードルフィン」以上の角度です(※サンダードルフィンは公称の落下角度は80度と言ってますが、実際は74度)。次の画像黄色矢印のセカンドドロップでも大きいドロップをします。
ファーストドロップはサンダードルフィンと似た感覚。最下点では思わず腰が浮かび上がります。なお、木製コースターはその特徴としてガタゴト揺れる独特の振動がありますが、このコースターに関しては振動が極端に少ないです。やや木製コースターとしての感覚を残しつつも、全体的には普通の(鉄製の)コースターと同じくらい。ちなみに、兄弟機の「エルトロ」に関してはその振動すら殆どないらしい。
ファースト、セカンドと2つの大きなドロップを越えた後は、右及び左に大きく旋回し、その先は小さめのアップダウン→大きく180度カーブ→小さめのアップダウンを繰り返します。これが3回くらいあり、アップダウンでは面白いくらい腰が浮き上がります。この浮きの強さは「カワセミ」並みです。
最後は、過電流式ブレーキによるスムーズな減速をしてフィニッシュ。
感想
前半は落下角度77度の大迫力ドロップと大きい旋回で大型コースターの、「サンダードルフィン」みたいな感覚で、後半は小さいアップダウンで気持ちの良い浮きを楽しめる「カワセミ」みたいな感覚、前半後半で特徴が違うことでコースのメリハリがあって飽きない、まさにインタミン社のコースターの良さの全てが一度に楽しめるコースターだと思います。自分が乗った木製コースターの中では最高作です。始めて乗った時はこんな素晴らしいコースターがこの世にあったのかって思ったくらい感動しました。兄弟機の「エルトロ」はこのTエクスプレス以上にレベルの高いコースターらしいので、いつか絶対乗ってみたいですね。