八景島シーパラダイスのアトラクション「サーフコースター」が、登場から21年目を迎える今年リニューアルオープンしました。新しい車両に走行中の演出追加で大きくパワーアップしています。
リニューアル内容の紹介の前に、「サーフコースター」についてちょっと解説をしましょう。
コースの詳しいレイアウト・解説、旧車両についてはこちらを参照。
「サーフコースター」
今から21年前の1993年オープン、設計・施工は当時の大手コースターメーカーでもあったトーゴで、コースの1/3が海上に突き出しているという前代未聞の特徴で話題になりました(そのため海上にコースの支柱基礎を建設する必要があり、通常のコースターとは柱の間隔など設計条件を変えなければならないため開発・設計者は大変苦労したという話も残っています)。コースの詳しいレイアウト・解説、旧車両についてはこちらを参照。
上記の特徴もさながら、旋回ループの多様や小刻みなアップダウンなど海の渦(?)をイメージしバラエティで爽快なコース自体も評価され、これの5年前1988年にオープンしたよみうりランドの「バンデッド」、1996年の富士急ハイランドの「FUJIYAMA」と併せトーゴの傑作、トーゴ3大名機と言われコースターファンからも一目置かれる存在になっています。
「サーフコースター リヴァイアサン」
今回のリニューアルで、「伝説(空想上)の海の魔物「リヴァイアサン(レヴィアタン)」を倒しに行く」というストーリーが設定されました。リヴァイアサンの弱点は人間の悲鳴ということで、コースターに乗って絶叫することでリヴァイアサンを倒せるということです。ただし、後述のようリヴァイアサンも負けじと反撃してきます。リニューアルのポイントは大きく3つ、その1つが
ブレイヴ=刃の意味の通り先頭車両は鋭く咎っています。でも重要なのは、安全バーが旧車両のU字型(肩押さえ型)から腹部ハーネスになったことです。旧車両のU字型ハーネスは乗り心地を損なうとして大きな不満要素でもあり、それが解消したことになります。
このハーネスの形状は当時の建築基準をクリアするために必要な安全装置でありました。車両の形状を変えるのはコースター、建築物を管理している国土交通省の許可承認が必要ですが、これは法的に容易なことではないため、今回の新型車両導入には相当な苦労があったのではと思います。安全バーは腹部ハーネスになりましたが、多くのコースターのよう「お腹」の位置で固定するのではなく「太もも」の位置になっているためちょっと変な感じがします。それに関連して乗っている時足を伸ばすことが難しくもなっています(乗っているときはそんなに気になりませんが)。
▲廛薀奪肇曄璽爐料・演出
プラットホームにはオリジナルのBGM、RPG風(どちらかというとレトロゲーム風)の音楽が流れています。コースター走行中にはホーム内に台詞が流れ、発車時には「打倒!リヴァイアサン」、コースターの走行状況に合わせて「リヴァイアサンが現れた!リヴァイアサンのスプラッシュ攻撃!」等の台詞が流れ、待ち列の人も楽しめるようになっています。しかも台詞は何パターンも用意。夜間、ホームは7色の光でライトアップ。上記の台詞に合せフラッシュの演出もあります。
わかりにくい説明で恐縮ですが、まずコースターは赤矢印のファーストドロップの後、陸側の水平ループへ。そのループ中に1回目の攻撃でループ天辺に届きそうなほど、15mもの水柱が上がります。
続いて2回目は黄色矢印、海側でも水平ループにてです。こちらは1回目と比べ高さは低いですが横に拡散する範囲が広い。最後は緑矢印を通ってプラットホーム前で一旦停止→ホームへ進む途中で3回目の水柱が上がります。が、こちらの規模は小さく後ろの方だと気付かないことも。
続いて2回目は黄色矢印、海側でも水平ループにてです。こちらは1回目と比べ高さは低いですが横に拡散する範囲が広い。最後は緑矢印を通ってプラットホーム前で一旦停止→ホームへ進む途中で3回目の水柱が上がります。が、こちらの規模は小さく後ろの方だと気付かないことも。
水柱はコースがそのポイントを通過する遥か前であがるため、水が直接かかることはありません。ただし、風向きの関係で水が流され霧みたいにかかる(濡れる)ことはあります。夏では、水柱がパワーアップするとのことです。・・・スプラッシュバンデッド並になるのでしょうか?
感想
まず乗り心地について、乗車感覚的には旧車両のとそんなには変わらないかなと思いますが、やはり上半身は自由になったのでより振り回されるような感覚を味わえます。特に後半の小さいアップダウンでは飛び跳ねそうな程強くかつ心地良い"浮き"を楽しめます。演出については、水柱は前述のよう直接かからないようになっているため乗っている時はそれほど印象には残りません。プラットホームでの音楽や台詞は当然コースター乗車中に聞こえないので待っている方向けの演出になりますが、確かに面白いし台詞が何パターンもあるので飽きないですが、皆さんが真剣に聞くようなほどインパクトがあるかは微妙です(多くの方は聞き流しているような風に見えました)。
まとめると車両が変わって乗り心地や乗車感覚の迫力が格段に良くなったことと、インパクトは置いておいて楽しい演出も加わったので素晴らしいリニューアルだと思います。
余談
・本記事で掲載している画像のよう、夜は青を基調としてカラフルにライトアップされて幻想的な雰囲気の中を走行します。対照的に海上部分、特に巻き上げからファーストドロップの所は暗めになっていて別の恐怖が出てます。・旧車両運転時では前方乗車ホーム、後方降車ホームに2つのプラットホームで運営していましたが、新車両になった今回から基本前方ホームのみ使用し手荷物確認→シートベルトの着用→安全バーという手順を踏むようになったので若干回転が悪くなりました。1回の運転で客の乗り降りは順調に行って7~8分、アトラクション入口のスロープに手前ぐらいの待ち列で1時間待ちとなります。
・「リヴァイアサン=レヴィアタン」は本アトラクションだけでなく、ゲームやアニメなどいろいろな媒体で使用されています。昨年はソーシャルゲームを原作としたアニメ「絶対防衛レヴィアタン」という作品も放送されました。