富士急ハイランドで現在も運営中の、世界最大級のお化け屋敷「戦慄迷宮」。2003年に現在の建物での運営(※)になってから15年間の内容の変化についてまとめました。
なお、自分は初めて入ったのが2004年「超・戦慄迷宮」(同年7月のリニューアル前、ちなみに当時高校生でした)、それ以降一応今まで各バージョンをほぼ全て体験しています。
※1999年~2002年の初代「戦慄迷宮」(一番最初のタイトルは「戦慄の閉鎖病棟」)は現在「ええじゃないか」がある所に存在したオフィシャルホテルにて、同建物の取り壊し前に期間限定アトラクションにとして実施したのが最初です。反響が大きく継続されることになりましたが(老朽化で)取り壊しが決まっている故にこの建物ではもう営業できず、新たに建物を建設して常設アトラクションとなりました。
なので、たまにネット上などで言われている「(現在の)戦慄迷宮の建物は本当の廃墟」というのは誤りです(館内の備品は実際に使われていた物らしい)。
○基本情報
設定:病院名は「慈急総合病院(じきゅう そうごうびょういん)」。バージョン毎に多少ストーリーは異なりますが「15〜40年前に廃業」、「表向きは普通の病院だったが、裏では臓器売買や人体実験、医療ミス隠蔽など医療犯罪が行われていた」、「現在は廃墟になっているが、中は死んで悪霊となった医師や患者達の巣窟となっている」等が共通しています。
建物概要:2階建て(一部中二階)
企画: 1999年当初 「株式会社ムラヤマ」(東京ディズニーランド・シー、サンリオピューロランド等の造型演出)
建物概要:2階建て(一部中二階)
企画: 1999年当初 「株式会社ムラヤマ」(東京ディズニーランド・シー、サンリオピューロランド等の造型演出)
2001年~ 「PLANS」(絶望要塞や新宿インスパイア等も手掛けた会社)
○2003年7月「超・戦慄迷宮」
記念すべき第1回目のバージョン。全長616mは当時ギネスブックに「世界一長いお化け屋敷」として認定されました。所要時間は40分。この頃は休日等繁忙期では「整理券対応」で、たしか10時に午前中の分、13時に午後の分を配布とかでした(整理券は2005年頃に廃止)。
概要はこのバージョンでほぼ確立されていて、2018年現在のと大きな違いはありませんが、当初は廃墟の規模を出すためかルートをきちっと封鎖して作っておらず、物を置いて道を作ってたり廊下は「緊急時以外は通り抜け禁止」と書かれた看板だけで対応してたりしてました。また現在のバージョンにはない「ルート分岐」があり、中には選択を間違えると元来た道に戻ってしまうのもありました。
病院の中に入ると、まず待合室に通され、ここでスタッフより口頭で注意事項を聞きます。その次の部屋で映像にて注意事項とストーリーを見るプレショーへ。
概要はこのバージョンでほぼ確立されていて、2018年現在のと大きな違いはありませんが、当初は廃墟の規模を出すためかルートをきちっと封鎖して作っておらず、物を置いて道を作ってたり廊下は「緊急時以外は通り抜け禁止」と書かれた看板だけで対応してたりしてました。また現在のバージョンにはない「ルート分岐」があり、中には選択を間違えると元来た道に戻ってしまうのもありました。
病院の中に入ると、まず待合室に通され、ここでスタッフより口頭で注意事項を聞きます。その次の部屋で映像にて注意事項とストーリーを見るプレショーへ。
・ストーリー(プレショーの映像)
「15年前、闇ルートでの臓器売買によって廃業に追い込まれた病院があった。」
映像では臓器売買の取引を行う院長の電話音声が流れ、医師達によって患者を殺害、解剖される様子が映し出されます。
悪事はエスカレートし、ついには見舞いに来た人達を殺害する執刀医まで現れる。もはや人の「悪意」ではなく何か別の「意志の力」が働いているかのよう・・・。
そして院内で殺された者たちは悪霊となり、生者への復讐を開始する。映像では見回りの看護師にたくさんの霊達が群がり、肉体をむさぼり喰う様が映し出されます。そして彼らの矛先は、(映像を見ている)こちら側に・・・。
映像の最後に「天井から3体ほど人形が降ってくる」という仕掛けがありました。設定ミスなのか意図的にやっているのか分かりませんが、映像の終わりに合わせてではなく中途半端なタイミングで降ってきたため、凄くびっくりしたのを覚えています。
・本編構成
プレショーの後は1組ずつの案内となり、まず「レントゲン室」で写真撮影。撮影の瞬間に椅子が下がる&エアー噴射の仕掛けはこの時から健在でした。
初期のルート構成は(※15年前のことなので曖昧です)、螺旋階段を上がって2階へ行き「備品室」→「長い廊下」→「院長室」。今度は下りの螺旋階段があって「救急車 待機場」→「和室」と続きました。
病室の前にスタッフがおり、3つくらいある病室から1つ指定されます。病室毎に多少演出が異なってたようで、自分の時は連れが「何も起こらなかった」のに対し、私の入った病室では「執刀医(アクター)が潜んでいて、部屋の外までしつこく追いかけられる」展開でした。部屋を出た先に、同行者と合流する待合所があります。
近くにある途中退出口には「ここから距離は残り半分、恐怖は2倍程度です。」とユーモラスな一文が。
「手術室」→「ルート分岐」間違えると手術室まで戻る?→「遺体保管場所」→「倉庫」→「機械室」→「食堂」等と続きます。食堂には最後の途中退出口があり、看板には「警告:これより先途中退出口はありません もう手加減は止めだ。脱出するなら今だ!」と書かれている。
その先の「ナースステーション」に案内スタッフがおり、ここでペンライトを返却。そして1組ずつ交互に左右のルートへ案内されます。そう、初期の超·戦慄迷宮は後半ルートが2つに分かれたのでした。
自分が行ったのは右ルート、廊下をしばらく進んだあと、「牢屋」がある部屋に。牢屋にはアクターが潜んでおり最初は動かず人形の振りをしてますが、通り過ぎると襲いかかってくる。そして最後は牢屋の鍵をこじ開けて出てくるというおまけ付き。
その先はあまり覚えてないのですが、たしか臓器保管庫とか殺伐とした場所を進んだと思います。
最後の部屋は「死体袋が積まれた部屋」。現在と同じく入口は自動ドアで間隔をあけて案内される。
外からの光で結構明るく、油断していたら目の前にゾンビみたいな亡霊が出現。動きは鈍いので通り過ぎようとすると別のゾンビが現れて出口まで追いかけられる、という最後でした。
なお、もう一つの左ルートでの最後の部屋は「霊安室」で、遺体が眠るベットの脇からアクターが2~3人現れて出口まで追いかけられるというものだったらしく、これは下記のリニューアル後も引き継がれたらしい。
初期の戦慄迷宮は現在のと比べると距離や所要時間こそ短いものの、様々な要素が詰まってメリハリのある構成で、またアクターも多くて脅かされ度合いも高かったので、充実した内容だったと思います。
初期の戦慄迷宮は現在のと比べると距離や所要時間こそ短いものの、様々な要素が詰まってメリハリのある構成で、またアクターも多くて脅かされ度合いも高かったので、充実した内容だったと思います。
○2004年7月「超・戦慄迷宮 病院の怪談」
開業1年後のリニューアル。全長は700m、所要時間50分にバージョンアップ。ただし、現地の案内看板には所要時間40分のままで、この頃からホームページのスペックと実際の現地の案内に相違が出るようになります。
今回のテーマは「病院に纏わる怪談話を体験する」というもので、前回のストーリーにもあった「臓器売買で、病院の地下室には死体置場がある」の他、「患者の1人声帯の病気でもう歌が歌えない事を苦に自殺した人気歌手がいた」、「廃業後の病院内にはカラスが生息、遺体の肉を喰って繁殖したため血の味を覚え人を襲うようになった」などのバックストーリーが用意されてました。
プレショーは新規のものになり、カップルがこの廃病院に入り、亡霊に襲われるというシンプルなものになりました。最初に「これ(この映像)は、貴方がこれから体験するであろう出来事です。お楽しみください···」と出るよう、嫌にリアルな演出だった。
そしてルートは全て変更。「新たに発見された」という設定で新しい部屋もいくつか登場します。
「(新)診察室」→「病室」→「手術室」→「備品室」→下り階段→廊下→ルート分岐「遺体安置所」or上り階段 (※上り階段を選ぶと「備品室」まで戻される)→「(新)歯科治療室」→「食堂」(ここでペンライト回収、かなり早い段階からペンライトなしに)→「臓器保管室」→「機械室」→「和室」→「救急車 待機場所」→「ロッカールーム」→「病室」、「トイレ」、「レントゲン室」(この辺の記憶はさらに曖昧)。
3つの分かれ道があり、左と真ん中はどちら「ナースステーション」まで進めるものの、右に行くと結構な距離を戻されてしまう。
「牢屋」→「長い廊下」→「院長室」→「(新)死体袋置き場」(前回の最後の部屋の一つをリニューアル)→最後の部屋「霊安室」(前回の最後の部屋とほぼ同じ演出)。
※今回のルートは、部分的に「前回のルートを逆走」するような構成になっています。
今回のテーマは「病院に纏わる怪談話を体験する」というもので、前回のストーリーにもあった「臓器売買で、病院の地下室には死体置場がある」の他、「患者の1人声帯の病気でもう歌が歌えない事を苦に自殺した人気歌手がいた」、「廃業後の病院内にはカラスが生息、遺体の肉を喰って繁殖したため血の味を覚え人を襲うようになった」などのバックストーリーが用意されてました。
プレショーは新規のものになり、カップルがこの廃病院に入り、亡霊に襲われるというシンプルなものになりました。最初に「これ(この映像)は、貴方がこれから体験するであろう出来事です。お楽しみください···」と出るよう、嫌にリアルな演出だった。
そしてルートは全て変更。「新たに発見された」という設定で新しい部屋もいくつか登場します。
「(新)診察室」→「病室」→「手術室」→「備品室」→下り階段→廊下→ルート分岐「遺体安置所」or上り階段 (※上り階段を選ぶと「備品室」まで戻される)→「(新)歯科治療室」→「食堂」(ここでペンライト回収、かなり早い段階からペンライトなしに)→「臓器保管室」→「機械室」→「和室」→「救急車 待機場所」→「ロッカールーム」→「病室」、「トイレ」、「レントゲン室」(この辺の記憶はさらに曖昧)。
3つの分かれ道があり、左と真ん中はどちら「ナースステーション」まで進めるものの、右に行くと結構な距離を戻されてしまう。
「牢屋」→「長い廊下」→「院長室」→「(新)死体袋置き場」(前回の最後の部屋の一つをリニューアル)→最後の部屋「霊安室」(前回の最後の部屋とほぼ同じ演出)。
※今回のルートは、部分的に「前回のルートを逆走」するような構成になっています。
今回のリニューアルで距離・所要時間のスペックは上がったものの、メリハリを利かせる要素がなくなったため、ダラダラ続く感じが強くなってしまい、以後はアクターの数も減っていって衰退の道へ進んでしまった気がします。
2004年12月~2005年2月:「超・戦慄迷宮 亡霊仕返し編 ~ストレス退散~」
タカラトミーの玩具「サバイバーショット」を使ったイベント。サバイバーショット(銃)で亡霊(アクター)についている的を狙って撃つという、USJの「バイオハザード・ザ・リアル」の先駆け的なイベントでした。また銃の他にセンサーも持つので、亡霊が潜んでいるとセンサーが反応して構えられるというのも面白かった。
プレショーはなく、センサーを付けた人形でスタッフが口頭で説明してました。
ルート自体は変更なし。最後の部屋の手前でサバイバーショットとセンサーは回収されるので、最後の部屋では従来通り亡霊に襲われます。
プレショーはなく、センサーを付けた人形でスタッフが口頭で説明してました。
ルート自体は変更なし。最後の部屋の手前でサバイバーショットとセンサーは回収されるので、最後の部屋では従来通り亡霊に襲われます。
2005年12月~2006年2月:「超・戦慄迷宮 禁断のルート篇」
序盤にこれまで封印されていたという特別ルートが追加。それ以外は変更なし
2006年2月~3月:「超・戦慄迷宮 二人の卒業式」
互いの手首をこよりで結び、切らずに出口まで進むと卒業証書や第2ボタンが貰えるというイベント。ルート自体は変更ないですが、プレショーのみ今回用に変わっていました。
プレショーは卒業式の日、女生徒が入院で式に出られなかった彼氏の病室へ、卒業証書を持ってお見舞いにくる。だが、病院では医師や患者が出血するまで頭を壁に打ち付けるなど、奇行が繰り広げられた。異変を感じた2人は病院から抜け出そうとするが、突然彼氏が倒れて動かなくなる。見ると彼氏は体の縦半分が「無かった」。そして女生徒の体には継ぎ接ぎがあった・・・。
映像では語られていないが公式サイトのストーリーによると、実は彼氏は病気で亡くなっており、彼女は彼と結ばれるため、自分と彼の体を半分ずつ縫い合わせるという禁断の儀式を行った、ということらしい。
2006年6月頃?
確証はありませんが、映画「リング」シリーズとのタイアップでプレショーが貞子が出る「呪いのビデオ」、途中の「和室」付近?に貞子の井戸が追加、最後まで進めると「呪いのビデオテープ」が貰えるみたいなイベントがあったと思う。2007年2月:「超・戦慄迷宮 心霊篇」
プレショーは変わっていませんが、ルートが変更され、確かペンライトの回収が「牢屋」の前と遅くなったり後半ルートの順番が変更になってたと思います。
メインイベントは病院外にある「祠」で撮った写真を指定のメールアドレスに送ると、亡霊が映った心霊写真として返ってくるというもの。
メインイベントは病院外にある「祠」で撮った写真を指定のメールアドレスに送ると、亡霊が映った心霊写真として返ってくるというもの。
○2007年7月21日:「戦慄迷宮4.0」
2007年10月6日~2008年2月3日:「戦慄迷宮EX. バイオハザード」
2008年2月6日~4月6日:「戦慄迷宮4.0 生け贄篇」
2008年7月19日~11月3日:「戦慄迷宮4.0 ナナシ ノ シタイ」
2008年11月8日~12月25日:「戦慄迷宮4.0特別企画 戦慄のメリークリスマス」
2009年2月13日~4月5日:「戦慄迷宮4.0 血まみれの身体検査篇」
自分これは未体験です。体重計や視力検査表などの身体検査に使われる</物が設置され、血液型や健康状態によって異なるルートが登場。