ちょっと予想外のニュースが飛び込んで参りました。富士急ハイランドが今年2018年7月中旬より「入園料」が無料になるようです。
富士急ハイランドが「入園料無料」に 7月中旬から
・現状の入園料は大人1,500円、フリーパスは大人5,800円。・入園料無料化は「2018年7月中旬より」との記載で、具体的な開始日は不明。
・フリーパス料金やアトラクション料金の変更があるかは不明。
公式発表ではありませんが、こちらの記事では「アトラクションの利用料は2〜2.5倍」、フリーパスは「現状価格据え置き(入場料込みの価格と変わらず)」とあります。
富士急ハイランド、入園無料化に意外な事実。絶叫マシンは2倍以上の値上げ検討
○現在入園料が無料である主な遊園地
東京ドームシティ(※) 八景島シーパラダイス 横浜コスモワールド
※東京ドームシティでは2003年5月に「後楽園ゆうえんち」から現名称にリニューアルの際、入園料を無料化(フリーゲート化)。
特殊な例として、「ナンジャタウン」では現在、7月19日までの平日期間限定で19時以降の入園料(大人500円)を無料に。過去も2008年6月に期間限定で「17時以降の入園料(当時300円)を無料」にしたこともあった。
○入園料無料化によるメリット・デメリット
メリット
・入園料無料=いつでも手軽に入れることにより、滞在の自由度が上がる。
リリースにもあるように、(時間がないときなど)アトラクションを1~2だけ、園内ショップだけ、果ては来場してアトラクション等を見ながら散歩するだけといった、お客さんそれぞれの目的に合わせた利用ができる。
・アトラクション1~2個利用だけなら、現状より割安で利用できる(アトラクション利用料を値上げしない場合)。
デメリット
・入園料無料化で来場者が増えるため、アトラクションの混雑・待ち時間がさらに増える(人気アトラクションに偏る)。
・入園料の分、他で利益を得るため現状のアトラクション利用料、フリーパスが値上がりする可能性がある。
可能性は低いですが、フリーパスを廃止する場合も絶対ないとは言い切れない。
・今回の施策が失敗となればパーク自体の縮小、最悪の場合は閉鎖もあり得る(後述)。
○(運営側視点)客単価が上がるか下がるかが、ポイント
可能性も十分考えられます。例え利用率が増えたとしても、これまでの入場料収入分の効果があるのかという点も。
実は前述の「東京ドームシティ」が2003年に入場無料化になった時、上記の「滞在時間の減少→客単価減少」の方が強く出てしまい、結果的に経営面では「入場無料化は失敗だった」と言える状況になってしまったと聞いています(※)。なので遊園地業界内では長らく入場無料化はタブー視されていました。
※東京ドームシティでは他にも「不特定多数の来場があるため清掃衛生費、警備費が膨大になった」、「主な収入源であるショップ、飲食の売上が減少した」、「あらゆる所からお客が出入りするため、お客の流れを把握·コントロールすることが難しくなった」等のデメリットがありました。
勿論、東京ドームシティと富士急ハイランドでは環境がまるで違うので、一概に東京ドームシティの前例が当てはまるとは言えませんが、今回の入場無料が吉と出るか凶と出るか、やってみないと分からないと言えます。
上記の「アトラクション利用料は2倍以上の値上げ、フリーパスは価格据え置き」が本当ならば、とにかくショップ·レストランの利用を促すのが目的なのではないかと思います。ただ、現状わざわざそのために行くだけの魅力あるショップがあるとは思えないんだよなぁ。
ここからは個人的な意見ですが、富士急ハイランドの場合は結構悪い方向になるんじゃないかと思うなぁ。
そもそも遊園地ってそれこそ東京ドームシティみたいに都市型でない限り、アトラクション1〜2つだけ乗るために行くような所ではないような気がしますね。その東京ドームシティでも前述のよう失敗しているので、かなり見通しは厳しいのではないかなお。
そんな定説を覆すような事になるのか、期待ですね。