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ホラー水族館「あやかしの人魚」

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サンシャイン水族館で昨年大きな反響を呼んだ「ホラー水族館」が、今年も9月28日(木)より開催されていますので行ってきました。音声ガイダンスを聞きながら暗い館内を巡るという内容は同じですが、その音声による静かな恐怖がメインであった昨年度と比べると、今回は後半に普通のお化け屋敷のような脅かし要素が強くなっています。
タイトル通りテーマは「人魚」です。アンデルセンの童話「人魚姫」のような「人間に恋した人魚」の悲恋、そして恨みの混じった物語の世界を進んでいきます。
ちなみに「人魚」というと、どうしても上記の「人魚姫」がイメージされるので西洋の妖怪だと思われがちですが、日本にも古来より人魚の伝説は数多く残っています(八百比丘尼伝説など)。

○「ホラー水族館」内容
前述のよう、基本的には概要は昨年と同じです。音声ガイダンスを受け取り、館内の看板にかざすとストーリー流れるのでそれを聞きながら進みます。暗い館内にて水槽が怪しく照らし出され、魚たちが泳いでいる。そして水槽内には「人魚」が。大水槽だけでなくいろいろな所に人魚が隠れている(人間達を恨めしそうに見つめている・・・?)ので、探しながら進むのも面白いです。
人間が海の世界に憧れるように、海の世界に住むもの「人魚」の中にも陸の世界・人間に憧れる者がいる。とある人魚が、海岸で「腕時計」を拾ったのをきっかけに「こんな綺麗な物(腕時計)を持っている、人間ってどんなものなんだろう」と興味を持った。興味はやがて憧れとなり、人魚は魔法の力で足を手に入れ、陸に上がった。だが1日に1度決められた時間までに海に戻らないと、人魚に戻ってしまう。
陸では人間の友達ができた。友達には肌に隠れていた鱗を見られ、人魚であることがばれてしまったが、それでも変わらず接してくれた。
だが、ある日友達に「嘘」の時間を教えられ、海に戻る時間に間に合わず、人魚に戻ってしまった。鱗に覆われた姿を大勢の人々の前で晒して・・・。「人間に裏切られた」、人魚の人間への憧れの思いは、強かったゆえに「激しい憎悪」に変わる。「あの腕時計をしていた人間を、海に引きずり込んでやる」。人魚が探している人間は、あなたかもしれない・・・。

昨年度と異なり、音声ガイダンスは1階部分のみの使用で、後半の2階は音声なしで進みます。ここからはもう「普通にお化け屋敷」です。暗い通路には恨みの形相をした人魚が何人も立っていて、水槽にも死体など恐怖のオブジェクトが並びます。
2階ではあるミッションを与えられます。それは「鐘の音がしたら、動いてはいけない」というもの。暗い水族館に鐘の音が響くとき、起こることは・・・。
鐘の音がしてピタッと止まっていると、奥から人魚(特殊メイクをしたアクター2人)が現れ、ライトを持ってかなり至近距離まで近づいてきます。
最後に強烈な仕掛けがありますが、これは入ってからのお楽しみに・・・。
さすがに詳細は伏せますが、尾ひれをつけた人魚(アクター)の脅かしがあります。

○感想
昨年のホラー水族館はお化け屋敷の要素を期待すると少々物足りない内容でしたが、今年は前半は音声ガイダンスと暗い水族館内でじわじわと恐怖感を募られ、後半は視覚的・体感的に激しめの脅かしがあるなど、バランスの良い構成になっています。演出自体もテーマに沿っている、かつ普通のお化け屋敷にはない新しい演出になっているのも魅力です。
後述の予約システムなど、昨年の不満点をいろいろと解消している結果になっていると思われます。

○イベント概要・参加方法について
昨年は前売り券等がなかった(開催1週間後に土日限定で整理券を配布)ため、ホラー水族館実施時間前から参加希望者が殺到し、待ち時間も2~3時間は当たり前という状況で混乱していましたが、今年はコンビニ「ファミリーマート」にて前売り券を時間帯指定の販売しています。行きたい日の2日前までの購入で、キャンセル等はできませんが、行く日が確実に決まっている場合は前売りが絶対便利です。
当日券もあり、10時にて窓口でこちらも時間帯別に販売。公式ツイッターでも販売状況を発信していますが、初日の時点では更新頻度がそんなリアルタイムでもなかったので、不安な場合は電話等で問い合わせた方が良いかと。
年間パスポート所有者は音声ガイダンス機器代500円(通常2,200円)で利用できますが、前売りが利用できないので当日窓口に行くしかありません。
なお、チケットの記載時間5分前から並んで実際に館内に入れるまでの待ち時間は15~20分程です。

○余談①:展望台「ゾンビ防衛対策学会」
今年はサンシャイン60展望台でも、夜間ホラーイベントが開催されています。展望台にて「ゾンビをコントロールする研究の学会発表」という設定で、案の定ゾンビ達が暴走して襲い掛かってくるという内容。最初にプレショーがあり、その後一組ずつ進んでいくオーソドックスなウォークスルータイプ。
普通に外の景色が見える「やや明るい所」に造形物等が設置されていて、バックヤード側の「暗い所」にアクター演じるゾンビ等が襲い掛かってくる構成で、展望台という場所を上手く利用したお化け屋敷イベントになっています。暗い所では造形物やアクターとの距離感が近く、結構怖い。料金(1,200円)の割には短いのが難点ですが、お化け屋敷終了後お土産店側でゆっくり外の展望が見れるので「お化け屋敷+展望台料金」と考えれば妥当なのかな。
注意すべき点は、きっちり一組ずつ間隔を空けるので、中でかなり待たされます。入ってから出るまで30分はかかると思った方がよいです。

○余談②:人魚姫について
最後、余談なんですが本イベントの題材になっている「人魚」、アンデルセンの童話「人魚姫」。人魚姫はどこまでも純粋に王子様を愛しても、報われず最後は泡となって消えた、悲しき恋の物語。これは作者アンデルセン自身の、失恋を繰り返していた苦い思いが投影されていると言われています(そしてアンデルセンは最終的に生涯独身でした)。


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