今年2015年7月、「戦慄迷宮」がリニューアル。タイトルも「最恐(さいきょう)~」から「絶凶(ぜっきょう)・戦慄迷宮」に変更され、リリースではかなりの力の入れようが伺われます。実際運休期間も6月中旬から約1ヵ月半と過去最大規模でした。
これだけ力を入れていると歩行距離等のスペックもパワーアップするのかなと思いましたが、スペックは「歩行距離900m、所要時間50分(※)」と従来と変わらず、代わりに内容や演出の強化をプッシュしています。
※ホームページでは「所要時間50分~∞(無限大)」と書かれていますが現地では「40分」となっているなど今回も媒体によって表記はまちまち。実際の(自分が体験した)時間は「40分くらい」だったかな。
また後述のよう戦慄迷宮に隣接して新たに「サウンドホラーアトラクション」がオープン。
待ち列~受付まで
基本的に従来と変わらず。待ち列モニターの映像はハイランダーが登場するコミカルなものから、戦慄迷宮を体験し悲鳴を上げているお客さんをバックに注意書きを映すダークなものに。その後スタッフの案内で戦慄迷宮内に進む。プレショー
一番最初の待合室では正面にスクリーンが設置(※)されていて、ここでまず映像を見ます。戦慄迷宮で見る映像は怖い(人によってはアトラクション本編以上に怖いと感じる)ことで有名ですが、今回はこれまで以上にグロテスク(暴力・出血、虫など)な描写が多様されており、上映前にスタッフから注意を促すアナウンスまでされます。※正確には2009年「最恐・戦慄迷宮」で登場し2011年のリニューアルで廃止されたので、今回で復活する形に。
ストーリー
今回はホームページ上に(8/2時点で)ストーリーや設定はなく、アトラクションで見る映像でも説明などはありません。以下の文章はアトラクションで見る映像に自分なりの解釈を加えたものです。文章に書くのもおぞましいくらい、非常にグロテスクで気色の悪い映像内容です。今は廃墟となった「慈急総合病院」、そこに1人の女性が中に入った。異様な雰囲気や虫の大群に怯えながら進むと、突然女性の周りの風景が「廃墟の病院」から「普通の病院」に、まだ慈急総合病院が開業していた時に切り替わる。廊下には順番待ちの患者や看護婦がおり診察室では問診をする医師と患者の初老の女性がいる、病院の日常風景が広がっていた。 だが次の瞬間、問診中の医師は患者の首に刃物を突き刺し殺害した。驚く女性、場面は再び廃墟に戻り女性の後ろには殺された患者と思われる亡霊が。その後も医師が患者をなぶり殺す「過去」と患者の亡霊、そして死後もなお院内で獲物を探す医師が徘徊する「現在」が交互に切り替わっていく。表向きは普通の病院を装いながら裏では医師たちによる患者への虐殺行為が行われていたこの病院の「日常」を示すように・・・。 女性は逃げ惑うが、最後は自身も診療台に乗せられ生きたまま腹を裂かれて腸をむき出しに、そして電動鋸で頭を切断され息絶えるのであった・・・。上記のプレショーを見た後は、次の部屋「レントゲン室」まで一旦進みますが、ここでリニューアルポイントの1つである『暗闇通路』が待っています。手すりを掴まって進み本当に真っ暗で何も見えない中を進まなくてはなりません。が、脅かしはなく距離も短いんでまだ怖くはないと思います。
その先にある「レントゲン室」にて、写真撮影の後、一組ずつ間隔をあけて中に案内されます。
・・・とのことですが、実際入ってみたところここまで凄い質感の部屋ではなかったような。マスコミ向けプレビューでは(空調が効いて)異様に寒い所など五感で感じる仕掛けがあるとのことでしたが、そのようなところは見当たらず。
備品が散らばる診察室や手術室、長い廊下など戦慄迷宮の名所は今回も健在。お化けも格段に演技力アップなどは見られませんでしたが、床に這いつくばって移動してきたり机を飛び越えて迫ってきたりとアグレッシブなお化けが多数。
中盤でペンライトを返却しますが、その先の部屋がリニューアルポイント2つ目の『監禁部屋』です。狭く暗い部屋の中に一時的ですがお化けと一緒に閉じ込められます。先の扉に鍵がかかっているわけではないですが、暗くて見つけ辛く、扉も意地悪するように開け辛いので確かにこの部屋は怖いかも。
その先も院長室や解剖室等を進み、最後の部屋は従来のよう一組ずつ間隔をあけて入る。そして最後の部屋がリニューアルポイント3つ目の『巨大人体実験室』。最初はガラス張りの通路を進み、奥の実験室では後ろや左右からお化けが2~3体襲ってきて、出口まで追いかけられます。
感想
公式サイトやプレスリリースにはかなり凄く変わったと取れる文章が書いてありますが、自分が入った感じとしては従来とそれ程大きく変化した・パワーアップしたという印象はなく、結局いつもの戦慄迷宮のままと思います。上記の3つの新しい部屋も正直微妙だったのもマイナスの印象が大きいかも。まぁニューポイントが微妙だとしても長くて薄気味悪い雰囲気で、相変わらずハードなお化け屋敷なので従来通り楽しめると思います。
なお、富士急行社長インタビュー記事によると「今の戦慄迷宮はマンネリで、本物の廃墟(園内ホテル)を使っていた初代が一番怖かった。来年以降は(廃墟を使用するなど)原点回帰を目指した企画にしたい」とのことです。記事本文中には「インバウンド向けにお試し版のプチ戦慄迷宮を作った」とありますが、現地には見当たらなかったので詳細は不明(オープン直前でボツになったという説もある)。
「戦慄迷宮」リニューアルオープンと同日(7/25)、併設してサウンドホラーアトラクションがオープンしました。元々あった併設ショップを縮小して作られたスペースをアトラクションエリアにしています。
2010年までフジヤマとエヴァンゲリオンワールドの間にあったサウンドホラーアトラクション「処刑の館」を再現するというコンセプトで作られており、そのためストーリー設定やアトラクション本編の展開は意図的に似せて作られています。
以下反転:
「処刑の館」は残酷な処刑人がゲストの隣の囚人をチェーンソー等で処刑し、最後は自分(ゲスト)が処刑で、「血に飢えた病棟」も残虐な医師がゲストの周りで人を次々と殺し(チェーンソーも使う)、最後はゲストに襲いかかると共通の流れになっていて構成や展開順序も共通しているので、実際この2つのアトラクションは似てるというより殆ど同じです。 |
アトラクション内は返り血だらけの医療器具が散乱した診療所。壁際にヘッドフォンと椅子が、一人一人ブースで仕切られて設置されています。
かつてこの診療所で起きた、医師による患者連続殺人事件。犯人の医師は未だ逃亡中であるが、最近事件のあった診療所付近で犯人と思わしき不審な人物が目撃されている。そんなニュースを聞いた中、自分の後ろにその「医師」が表れ、近くの人間を次々と殺害。そして最後は自分が・・・。人を殺害するときの断末魔など過激な描写がメインとは言え、それほど恐怖を感じるような内容ではないのでホラーサウンドとしては初心者向けと言えるでしょう。
場所が目立たないためか認知度は低く、園内放送で「待ち時間なく利用できる」とPR放送があった程空いておりました。