5/10(日)まで開催されている「ユニバーサル・クールジャパン」にて実施されている期間限定アトラクション。「バイオハザード」をモチーフにしたアトラクションはこれまでもハロウィンホラーナイトを中心に開催されていますが、今回はこれまでのタイプとは異なり『謎解きリアル脱出ゲーム』となっています。
謎解き製作・監修は全国各地にて謎解きリアル脱出ゲームを手がけている製作会社「SCRAP(スクラップ)」で、同社による質の良い謎解き問題に加えこれまでのUSJハロウィンホラーナイトや「バイオハザード ザ・リアル」にて評価の高かったゾンビやクリーチャーのスーツアクター達による迫力のパフォーマンスが絶妙に合わさり、非常に完成度の高い『謎解き+体感アトラクション』となっています。
ゾンビやクリーチャーが徘徊し、閉鎖されたテレビ局から60分以内に謎を解いて脱出するのがアトラクション目的です。
※謎解きイベント(アトラクション)ではネタバレは禁止されています。本稿はあくまでもアトラクションの大まかな様子や感想を述べたものであり、謎解き問題自体の記載などイベントの核心に迫る記述はありません。
アトラクション受付
会場少し奥まったところにあり、建物の裏手(に作られた整列歩道)を通って受付へ。ちなみに[ 「モンスターハンター ザ・リアル」]はすぐ隣にあり、アトラクションまでは同じ道を通って進みます。受付にて先着順に「4人1チーム」が編成され(場合によっては3人、5人も場合も)。謎解きに必要な端末機器などのキットが渡されます。1チームは4人ということで、例えば2人で来た場合は他の方と組まされるわけで「他人と一緒に謎解きをしなくてはいけないのはどうなのか」という意見がやや多数ありましたが、本件のような謎解きゲームの場合各個人で考えるより他の方々と情報共有して解く方がやりやすく、その連携プレーが面白いこともあり、実際やってみても思ったほど不便さ・気まずさは感じないです。アトラクションの舞台は、ゲームに出てくる町「ラクーンシティ」にあるテレビ局。ゲストはこのテレビ局のニュース番組の見学・スタジオバックヤードツアーに参加しに来たという設定です。なお、この建物はかつてMBS(毎日放送)が運営していたテレビスタジオであり(2014年3月末撤退)、つまり『本当にテレビ局の廃墟施設』ということになります。
オープニングショー
スタジオに入ると、情報番組の収録本番がスタート。キャスターが今日のニューストッピクスを読み上げます。最初のトッピクスは「アンブレラ社がパッチ型エナジー剤を開発した」というもので、ゲストの開発者による解説やレポーターによるスタジオ入口での体験無料配布の様子が映し出されます。続いてのトピックスは「番組ディレクターが某大企業の裏を極秘潜入調査」。調査をしたディレクターがスタジオに登場しますが、ここで突然緊急中継が入り・・・。
先程のスタジオ入口、つまりゲスト達がいる場所のすぐ近くにゾンビ達が侵入。アンブレラ社の特殊部隊による銃撃戦の様子が映ります。
騒然とする中、ここで先程のディレクターが宣言。自分が潜入調査をした企業とは「アンブレラ社」であり、ラクーンシティで発生した「人がゾンビ化する」現象はアンブレラ社が開発したT-ウィルスが元凶であることを突き止めた、と。ここでスタジオは突如停電し、セットからスモークのようなものが噴出。実はこのスモークは「T-ウィルス」であり、アンブレラ社は情報を暴き出したディレクター、そしてそれを聞いたスタジオ見学者さえも口封じのためにT-ウィルスを散布してしまった。
突然大きな物音がし、ゲストがいるスタジオ内にもゾンビが侵入。アンブレラ社特殊部隊も駆け付け、銃撃戦が開始。ワイヤーによる降下アクションや特殊スーツによる「リッカー」も登場するなどかなりの迫力です。
一端制圧が完了し、特殊部隊の隊長が状況を説明。T-ウィルスはここにいる全員が感染。この騒動でスタジオは閉鎖され、やがてウィルス消滅のためにスタジオは爆破されることも判明された。感染発症及び爆破されるまでの時間は今から60分後・・・。
ゲスト達はディレクターが残したヒント(謎解き問題)を元に、T-ウィルス発症を防ぐ方法、そしてスタジオから脱出を目指す。
なお、特殊部隊の隊長は主に「ウォーターワールド」のディーコン役を勤めている方が演じているようです。
アトラクション本番(謎解きゲーム)
上記のオープニングショーが終わると、最初に渡された通信端末に謎解きの問題が配信され、4階建てのスタジオ内を自由に行動できるようになります。制限時間は60分で、それまでに脱出(最終ポイントまでたどり着く)とクリアです。スタジオ内は薄暗く、所々に荒らされた箇所や血が飛び散ったところも。また作中に出てくる「レーザーセキュリティ」を再現した場面や一部シーンに「タイラント」等の大型クリーチャーが登場するところもあります。
そして、スタジオ内にはゾンビも徘徊しています。物陰や部屋の隅などの潜んでいて唸り声を上げながら近寄ってくることもあります。感覚としてはハロウィンホラーナイトの状況に近い感じです。ゾンビがいる中で謎解きする、いつ脅かされるかわからない中で頭を使うというのはかなり怖いです。
謎解きの問題については、他のSCRAPによる謎解きゲームに比べれば簡単な方ですが、それでも一般的には十分難しい内容です。ただし、時間が経過することにヒントのメール(場合によっては答えに近い内容)が配信されるため、「最初の問題すら解けず、何もできない」という状況にはなりにくく、謎解きが苦手な方でもある程度進めるようになっています。
エンディングショー
最終ポイントまでたどり着く or 制限時間を迎えてしまうとゲーム終了。最後は全員がゴール地点に集まり、エンディング。これまでの謎解きの答え合わせと共に、今回の物語の結末が繰り広げられます。こちらでもゾンビ、そして「スーパータイラント」が登場する戦闘シーンもあり。感想
謎解き問題は難しいものの、解ければ納得のいく良問で、それに加え造形物やゾンビ(アクター)によるパフォーマンスも凄い、まさにリアルに脱出のため頭を使って冒険している気分になれます。SCRAP謎解きとUSJ演出が見事に融合したイベントになっているでしょう。ヒント配信等による初心者向けの配慮で、謎解きが苦手な方でも手軽に楽しめるようになっているのも好印象です。ただし、終盤の謎に関してはヒントはないので最後までクリアするには実力が必要なのですが。
また手軽に楽しめるとはいえ、最終的な難易度はかなり高いです。成功者が0組の回も多く、出たとしても1~2組しか出ないようです。
有料イベント(前売2,500円、当日3,000円)のため参加を躊躇う意見もやや多いですが、これは別料金でも参加する意義はあると思います。謎解きに関してはここでは「頑張って」としか言えませんが、一般的な攻略法を言うならSCRAPホームページによる練習問題などを解いて、傾向や雰囲気を掴んでおくとかなり違うと思います。