※こちらは2015年1月24日(土),25(日)に開催されたイベントで、現在開催は終了しています。どうも、久しぶりの更新です。書く予定はあったのですが自分が今はやり(?)のインフルエンザになって寝込んだりしてなんだかんだで更新できませんでした。
さて、今回は先日1/24(土)と25(日)2日間限定で開催されたイベント、映画「REC」(REC/レック4 ワールドエンド)とコラボした体感型アトラクションに参加してきました。
製作は方南町で活躍されているオバケンで、昨年2014年7月の「ゾンビキャンプ」、12月「オバケンホテル」に続く大規模ミッションクリア型お化け屋敷イベントで、「90分間廃病院に潜入し、感染者(お化け)が襲いかかってくる中数々のミッションを遂行する」という本当に映画の主人公になった気分が味わえるイベントです。
他ではあり得ない超リアル・大迫力の演出体験が出来るぶっ飛んだイベントでしたが、その反面安全性の確保など管理方法には疑問視せざるを得ない粗い運営方法でもありました。
そんなわけで、イベントの様子をレポートします。
会場
イベントの会場は新宿、京王線初台駅近くにある「初台玉井病院スタジオ」で行われました。かつては本物の総合病院(初台本町クリニック)で閉鎖後、当時の設備等を残して撮影用スタジオとして営業している施設です。「呪怨」や「着信アリ」など有名なホラー映画の撮影にも使われています。駅出口付近ではこちらも方南町で活躍しているご当地覆面ヒーロー(?)「ベビーカーおろすんジャー」さんが案内をしていました。
受付では注意事項と参加中に付ける「襷(たすき)」が渡されます。案内には「襷を狙ってくるキャスト(お化け)に触れられる可能性があります(触れられたくない方は襷の着用を控えてください)。」と。
そう、このイベントではお化けが参加者の襷を狙ってきて、「襷を取られないように行動する」のがまず与えられるミッションなのです。襷を取られてしまった場合は「お化けに襲われてやられた」ということになり、完全クリアにはなりません(イベント参加自体は継続できます)。 「襷=自身の命」をお化けから守りながら行動するという、超リアルなサバイバル経験です。(お化けに触られる可能性はあるのに、お客さんがお化けに触れてはいけないのは矛盾していないかという見方はありますが・・・)。病院内に入ったら手荷物等を預け、1室に案内され参加者全員が揃うまで待機します。部屋内では映画「REC」のPVが流れていました。
隣には日本語の通訳がおり、それによると「ここは謎の感染症が蔓延し、感染した者は他者に見境なく襲いかかっている、危険な状況だ。諸君らは我々の指示に従って行動してもらう」と。話の途中でこれまでPVを流していた映像が切り替わり、先に突入した兵士がゾンビのようになった「感染者(以降:ゾンビ)」に襲われる様子が流れます。
兵士役のキャストは全て外国人で、彼らは英語もしくは片言の日本語のみの会話で参加者に指示します。この演出も映画の世界観の構成に一役買っています。参加者(最大80名)は4つのグループに分けられ、以降そのグループ毎に兵士もしくは防護服を着た隊員(ちなみにこちらは日本人)の案内に従って病院内を行動、道中には4つのミッションがありそれを一つ一つこなしていきます。
廃病院の中はこんな感じ。実際はもっと真っ暗でちょっと先も見えません。病院のセットや小道具がそのまま(本物?)残っていて廃墟としてはかなりリアルです。
グループの代表者一人がブラックライトを持ち、エレベーターで4階「院長室」へ向かう。しかし、エレベーターを出た先にゾンビがおり、エレベーターにいる参加者を目掛けて突っ込んできます。
最初に述べたよう、ゾンビは参加者の襷を狙っています。襷を取られたらその時点でミッション完全クリア失敗になってしまうのです。ここ以外でも、ゾンビは至る所におり常に用心しなければなりません。院長室の中にはワクチンが入った試験管がありますが、複数ある内正しいのは一つだけ。正解はブラックライトを当てて黄色く反応する(光る)試験管です。院長室で試験管を探している途中でも、正しい試験管を見つけてエレベーター→1階手術室へ戻る途中でも、いつでもどこでもゾンビが襲いかかってきて油断なりません。
自分達の階では「エレベーターが定員オーバーで全員乗り切れない」というアクシデントが発生。その関係でもたついた上、正しいワクチン(だと絶対に思う)を持ってきても手術室の感染者はもう発症して襲いかかってきて、なぜかミッション失敗になりました。完了後、次のミッションに移動するため階段を使って2階に移動。ただしこの移動中でもゾンビは襲ってきます。本当にどんな時も警戒しなければならないのです。
この階のミッションは「ゾンビ達が徘徊する病室の中から、子供の感染者を見つけて保護する(隊員の所まで連れてくる)」こと。ただし子供は二人いて、「一人はもう発症しているかもしれない」と・・・。
暗闇の中子供を捜しますが、そこに突如くる切り裂くような悲鳴。ダッシュでこっちにくるゾンビ。手分けして探す内に気付いたら一人になっていてゾンビと病室に二人きり・・・。正直ここでの出来事はあまりに凄すぎて記憶が曖昧です。
自分達の場合開始後すぐ子供を見つけられましたが、その子は発症後の方で襲ってきました。一緒に参加した友達はその子に襷を取られてしまった(自分はその隙に離れ、つまり友達を囮にして逃げた・・・)。その後暗闇にいたもう一人の子供を見つけてミッションクリアになりました。なお、ゾンビはICUで待機している時でもガラス越しに襲ってきたりしました。
3階「感染者隔離」
こちらでも7~8人に分かれてのミッションです。この階もゾンビで溢れていますが、その状況で・どこかにある「十字架」を見つける ・十字架を見せるとゾンビは怯む(※)ので、それを利用してゾンビを一室に集める ・十字架を部屋の扉にかけてゾンビを部屋に閉じ込める※RECではソンビは「悪魔に取り憑かれた者のなれの果て」という設定のため、十字架に弱い
内容としては2階のミッションに似ていますが、こちらは兵士が英語でまくしたてる中行うため結構迫力があります。
ここのミッションはビデオカメラを使って映画の重要人物である、悪魔に取り憑かれた少女「メディロス」を撮影してくること(ちなみに映画はビデオカメラで個人が撮影したような演出になっていて、タイトルの「REC」(録画)もこれに由来)。
ビデオカメラ1台、懐中電灯1つを渡されメディロスを探しに。地下1階は細い通路で、それにも関わらずゾンビがたくさん潜んでいて襲ってきます。設定では「(メディロス以外の)ゾンビに出会ったら懐中電灯を消して隠れろ」と言われますが実際はそんな余裕なかったです。
通路の奥にメディロスは潜んでいますが、彼女も悪魔に取り憑かれているので襲ってきます。こちらのリンク先にあるのは実際映画に出てくる「メディロス」ですが、イベントでは本当にこの姿と全く同じ外見のゾンビ(アクター)が出てきました。凄い再現度です。
感想
このイベントの、良い点と悪い点に分けて感想を述べたいと思います。良い点:脅かしや世界観の演出が本当にリアル
本文中にもある「外人キャストによる案内」、「身に付けている襷を守るというサバイバル館」、「容赦なく襲いかかってくるゾンビ(アクター)」の演出はとてつもなく凄いです。一切妥協することのない迫真の演技は、イベントということを忘れさせ本当にホラー映画の世界にいる感覚に陥ります(それが後述の問題の要因でもあるのですが)。数々のお化け屋敷(イベント含む)を体験してきた自分でも、ゾンビから本気で逃げたり囲まれた状況でどうやってこの状況を打破しようか真剣に考えたのは初めてです。この感覚は決して他では、オバケンのイベントでしか体験できないでしょう。
悪い点:安全性・品質管理・参加者コントロールなどサービス面の管理が商業イベントとして基準に達していない
演出に力を入れている(入れすぎている)からなのでしょうか、安全性を含めた品質管理ははっきり言って問題外です。・ゾンビ役アクターが襲いかかる演出から避けるため走って逃げることによる転倒 ・アクターによる直接的な攻撃(白熱するあまり参加者を押し倒すアクターもいた) ・施設内に散乱する備品、中には「割れたガラス」など危険な物もあった参加者自身が余程注意しなければ怪我しない方がおかしい状況でしたし、実際怪我をされた方もいたようでした。「自己責任で」というレベルではありません。
運営方法については、自分達は17時半~19時の回だったのですが参加者が多かった(定員の80名埋まっていた)からかイベントスタートが18時近くまで押して、その後各ミッションでも20~30分の待機時間があり、終了したもの20時過ぎと1時間以上オーバーしていました。
オバケン過去の「ゾンビキャンプ」や「オバケンホテル」でも似たような状況や不備は多かったらしいので、そういった管理方法としては力不足と言わざるを得ない状態です。
そしてこの日、「ニコニコ動画生放送(ニコ生)」として女性タレント二人による実況撮影が入っていました(当初は生中継の予定でしたが録画放送になったみたい)。撮影自体は良いとしても、一般客に混じっての撮影で撮影用に強いライトを照らしながら行動、「運悪く撮影と一緒になった方々は明るい中でのお化け屋敷イベント」と楽しさが激減するという、一般客を蔑ろにした撮影でした。
※撮影に関してはツイッター上にも同様の不満を訴える投稿もあったため、途中から「撮影舞台だけ一般客とは別行動」という対応がされました。
これは個人的な意見なのですがタレントの参加態度が最悪。序盤から「ミッションなんかいいから早く帰りてぇ」というイベントを否定する態度、ゾンビ役アクターに対し「来んなよボケ」などの暴言。タレントのキャラ以前に人間性を疑うような言動にかなり不快でした。ニコ生は映画版権側によるものだったようですが、なぜあんな人を呼んだのだろう?タレント以外にも全体的に参加者のマナーは悪く雰囲気は良くなかったです(これはオバケンさんのせいではありませんが)。
※撮影に関してはツイッター上にも同様の不満を訴える投稿もあったため、途中から「撮影舞台だけ一般客とは別行動」という対応がされました。
なのでイベントとしては楽しかったし凄い演出を体験できましたが、やはり怪我や無法地帯の雰囲気を体験してまでするものかと考えると個人としては納得が行かない内容です。
決して運営のやり方を否定するわけではありませんが、今後同社のイベントに参加予定の方は「このような状況である」というのは念頭に置いて、逆に言えばそれを許容できなければ楽しめないでしょう。
決して運営のやり方を否定するわけではありませんが、今後同社のイベントに参加予定の方は「このような状況である」というのは念頭に置いて、逆に言えばそれを許容できなければ楽しめないでしょう。
そういった意味でも初めての経験が出来たイベントでした。