千葉県館山市にあるキャンプ施設「館山シーサーイドビレッジ」内に今年2016年8月8日(月)にオープンしたお化け屋敷、館山恐怖倶楽部「臨怪荘」に行ってきました。
2007年に閉鎖され、その後諸事情で廃墟のまま放置されていた「臨海学校施設」の1階部分をお化け屋敷にしたもので、本物の廃墟(の1階)を利用した、広大な面積・歩行距離のお化け屋敷になります。監修は五味プロデューサー氏(オフィスバーン)。
オープンの詳しい経緯についてはこちらの記事を。
○受付の流れ
国道から敷地内に入ると、お化け屋敷のある建物が見えてきます。周りはキャンプ地で、この日も2組程テントでキャンプ及びバーベキューを楽しんでいる方がいました。お化け屋敷の受付は建物に隣接する小屋内にあります。
受付レジにて料金の支払いをし、順番が呼ばれるまで待ちます。演出上1組ずつしか入れないようなので(1回の所要時間は15~20分)、場合によってはしばらく待つことになりますが、近くには椅子・テーブルがあり飲み物も販売しているので待っていて疲れることはありません。
飲み物の他にオリジナルタオルも販売してました。1枚300円です。
順番が来ると、スタッフの案内でお化け屋敷入口前へ。一番上の画像がお化け屋敷の入口ですが、ここに行くには受付の建物からぐるっと回って裏手側まで進みます。
(一番上画像の)入口の先にあるロビー。前述のよう「本物の臨海学校施設」、すなわち「廃墟の学校」を使用したお化け屋敷なので、ここのようかつての面影のままの場面がたくさんあります。画像にある扉の先から、お化け屋敷本編です。
○ストーリー(抜粋)
戦国時代、(臨怪荘のある)ここ南房総は「安房の国」と呼ばれ、里見氏が勢力を伸ばし北条氏との戦いを繰り広げていた。ある日、傷だらけの武士が館山の海岸に流れ着く。武士は村人から手厚く保護を受けたが、武士を「反勢力の密偵」と恐れた領主は村人に武士の処刑を命じた。武士は村人に槍によって肉を裂かれ苦しみ、「一度は救っておきながら、末代まで呪ってやる…」と言葉を残して八突目でこの世を去った。村人は呪いを恐れ、武士を厚く葬った。
そして現代、この「臨海学校」にて狂った男が包丁を持って敷地内に侵入し、合宿中の学生らを襲い8人の学生を殺害、犯人の男自身も痙攣を起こして昏睡状態になり死亡するという惨劇が起こった。
この惨劇を、地元の人々はこう噂した。「これはかつて村人達に殺された武士の祟りではないか」と。
なぜなら、犯人の男が狂っていた理由は「狂犬病」による幻覚からであり、狂犬病ウイルスは犯人の男の飼い犬が「武士の墓」に首を突っ込んだのをきっかけに感染、飼い犬が男に噛み付いたことにより男も狂犬病を発症してしまったということだったからだ。
なぜなら、犯人の男が狂っていた理由は「狂犬病」による幻覚からであり、狂犬病ウイルスは犯人の男の飼い犬が「武士の墓」に首を突っ込んだのをきっかけに感染、飼い犬が男に噛み付いたことにより男も狂犬病を発症してしまったということだったからだ。
武士の怨念が犬から飼い主である男へと乗り移り、その男を使って村人への復讐を遂げたとでもいうのか・・・。
さらに、恐ろしい事はこれで終わったわけではない。それ以来、この臨海学校では殺された8人の学生の霊が現れると言う。武士が槍で受けた傷は8回、殺された人数は8人。8人の霊は、武士の負った8つの痛みから生まれた怨念となって、ここを訪れる者に祟りをもたらしているのかもしれない…。
ストーリー及び内部の演出は、『南総里見八犬伝』が基になっているとのことです。
○内容
前述の「扉」から、お化け屋敷内へ入ります。内部構成が通常のお化け屋敷とは違ってちょっと特殊で、「かつて臨海学校施設だった建物を使っている」という都合上、一本道のルート構築ができないため、
・部屋に入って奥まで行ったら、引き返して部屋から出る
・行き止まりがあって、来た道をちょっと戻って別のルートへ行く
といった流れになります。自由に探索するのではなく、矢印案内に従えば一応迷うことなく出口まで順番に行けるようになっていますが、中が暗いこともあり矢印を見落したり、案内を勘違いしてしまうと迷っちゃうかも。
こちらは公式サイトにある内部の写真。広い廊下を歩きながら「指示されている部屋」に入る(部屋によってはそこからまた廊下へ出て、別の部屋に行く)感じです。
このお化け屋敷には(オフィスバーン作品ではお馴染みの)ミッションがあります。それは「殺された8人の学生の名札を見て、(渡される用紙に)名前を記入し、彼らを成仏させる」というものです。察しの良い方は、これが単なるオマケ的な要素ではないと気付くはず・・・。
反転:殺された学生は8人なのに、用紙の記入欄は「9人分」あるのが意味することは・・・?
台所等がある宿直室(管理人室?)、テーブルが迷路のように並べられた食堂、調理室、下駄箱、大浴場、布団が並べられた大広間、どれもかつて実際に使われたいた本物の設備、濃厚な質感の空間です。
こちらはお化け屋敷エリア外を撮影したものですが、お化け屋敷内でもこのような風景が広がります。
そして勿論、脅かしの技術も強烈。構造の都合からか「仕掛けのない部屋」も多いのですが何も起こらないのが逆に怖かったりします。建物の広さを活かした仕掛けも。
○感想
本物の廃墟によるリアルな雰囲気に、仕掛けがうまくマッチしているのが凄いです。仕掛けが起こらない場所(雰囲気による恐怖)と仕掛けがある場所とがあることによってメリハリが効いているのも良くて、飽きさせない構成。それでいて「所要時間15~20分」という大ボリュームというのも魅力です。
「廃墟を利用した大規模なお化け屋敷」という内容的に、富士急ハイランドの『戦慄迷宮』(※)とコンセプトが似ていますが、オフィスバーンが戦慄迷宮(のコンセプト)を演出したらこんな感じになるんじゃないかとも言えるかもしれません。ただ、廃墟を活かすという意味では『臨怪荘』の演出の方が上と、自分は感じました。
※「戦慄迷宮」は厳密には本物の廃墟ではなく(備品は本物らしい)、規模も違いますが。
『臨怪荘』のある「館山シーサイドブレッジ」は千葉県は千葉県でもかなり端にあり、周辺に遊べるスポットもなく交通の便も良いとは言えないので、キャンプや周辺ホテルに泊まるとかでない限り決して手軽に行ける所とは言えないのですが、この『臨怪荘』単体だけで遠征するのは十分アリだと思います。
○営業概要
・アクセス
こちらを参照。結論から言えば、車で行くのが一番楽ではある。電車やバスを利用する場合は本数が少ないのもあるので時刻表を確認しておくと良い。
・営業日&営業時間
営業時間は「13時~16時」が基本で、繁忙時(?)は11時ぐらいに早く開け、お昼休憩を挟む模様。
・混雑状況
土曜日の14時頃行きましたが、基本順番待ちはなく前の組が終わるまで5分弱待つだけでした。ただ、一組ずつという案内上、場合によっては20~30分待つこともあるのかも?
上記のよう座ったり飲み物飲んだりして待てるので、待つとしてもそんなに苦にならないと思います。